HOME > シンケンの考え方 > 家づくりの考え方

家づくりの考え方
自然とともに暮らす、「情愛」を育む家
シンケンの家づくりの基本的な考え方をご紹介するために、(株)シンケン代表 迫英德のインタビューをご紹介いたします。
シンケンの家はこのような考えに基づき、個々のお客さまの条件に合わせてつくられます。
このインタビューは、 『「あたり前の家」がなぜつくれないのか?』 (エクスナレッジ刊) に掲載されたものです。
「あたりまえの家」がなぜつくれないのか?
シンケン 迫英德インタビュー  ~プランニングの重要性を理解しましょう~
庭のもつ意味を考える
――いくつかの住宅を拝見しましたが、シンケンの家は庭のつくりのよさが引き立ちます。まず庭のもつ意味について教えて下さい
「シンケンが家づくりのなかで大事にしているのは 『自然』 です。太陽、空、風、樹木といった、自然を家のなかに取り込むことが大切なのです。そのためには庭を含めた外構がとても大切です。カーポートやアプローチ、デッキなどと植木をうまく絡めて計画しなければいけません。庭も家の一部なのです」
自然を取り込んだ家
自然を取り込んだ家
――確かに庭が建物と一体に考えられているというのが伝わってきました
「そのためには敷地一杯に家を建てずに、敷地に余白をつくることが大切です。現在、ほとんどの家が敷地と並行に建っています。そうしたことを前提にせず、日照や通風、植栽、隣家の目線、景観、屋根の集熱効率などを勘案しながら、馴染のよい配置計画を行います。
例えば敷地に対して斜めに振って家を建てて、空いた敷地を庭にしていく。そして、そこにつながる部屋に設ける窓の位置などを工夫して庭との間に奥行きを生む。同時に隣家と窓の位置が重ならないようにして視線をそらす。こうした配慮も大切です」
敷地に余白と奥行きをつくる
敷地に余白と奥行きをつくる
――通常、造園工事はコストの制約から後回しにされることが多いと聞きます
「確かに造園工事を後回しにしても不自由はしません。ですが、シンケンの家づくりでは庭があってはじめて家が成り立つと考えています。ですから、いい家にするためには、庭木や外構工事も含めた、総事業費として家づくりの費用を考えるべきだと思っています」
――庭のつくりは街並みにも影響してきます
「そうです。でも残念なことに、いまの多くの家は、家のなかばかりに気を使って街をみていないのです。家をつくるということは、街に組み込まれるということです。つまり、家も街の一部なのですから、街の景観のことをきちんと考えるのはあたり前だと思います」
「街並」をつくる
「街並」 をつくる
――木をたくさん植えることで、落ち葉の処理を気にする人はいませんか
「なかにはいらっしゃいます。でも考えてみてください。北欧の街などをみると、落葉樹の落葉が街の風景をつくっているのです。木は成長します。家の前を常にぴかぴかにしておくことよりも、十年後には家の廻りが小さな雑木林になっているほうがはるかに素敵なことだと思いませんか」
落葉が風景をつくる
落ち葉が風景をつくる
間取りのもつ意味を考える
――シンケンの家は間取りのよさで定評があります。迫さんにとって、間取りのもつ意味とはなんでしょうか
「僕の考えるいい家とは、『情愛』 を育てる思想のある家です。その家に住むことで家族がなごやかになり、居心地がいいと感じてもらえることが大切なのです。
それは、素材はもとより、人の目線や動線、部屋と部屋のつながり、空間の構成などをうまく組み合わせることでなり立ちます。どういう風に人を動かして、どういう風に家族同士が触れあう機会がもてるか。そのことを常に考えています」
「間取り」への配慮
「間取り」 への配慮
――そのための工夫について教えてください
「主婦が家事を楽しむ家、楽しめる家にすることです。例えばキッチンは作業場ではなく、みんなが集まって楽しむところでなければいけません。みんなで使うところなので、アイランドスタイルのキッチンをよく採用しています。
また、頻繁に片付けなくてすみ、お客さんを気軽に招きやすい家になるように設計することも大切です。そのためにはあらかじめ生活が表に表れなくてすむような収納の工夫や、公私のエリア分けの工夫をしておくことが大切です。
例えば、通常の玄関と家族のための私的な玄関をさりげなく分けてあげたり、寝室と水周りをうまくつないで、二つの部屋の間を裸で歩いてもプライバシーが保てるような「裸の動線」を設けることも有効です。こうした主婦にストレスを感じさせない配置をすることで、家族が穏やかな気持ちで暮らすことができるようになります」
家事を楽しめるキッチン
家事が楽しめるキッチン
――シンケンの家は開放的な間取りにも特徴があるように思います
「部屋を使う目的を最初から固定しないことが大切です。家族のあり方は時間とともにかわっていきます。ですから、部屋はあまり細かく仕切らないことです。例えば子供部屋を最初から仕切る必要はありません。子供が大きくなれば、そのうち自然と陣地を主張するようになります。そのとき家具などでゆるやかに仕切ればよいのです。こうした融通性のある間取りにすることで、結果として家の寿命が長くなるのです」
開放的な空間
開放的な空間
――吹き抜けをつくると寒くならないか心配する人もいます
「普通の家ではそうなってしまいます。そうならないように、シンケンの家ではパッシブソーラーのシステムを取り入れています。断熱やパッシブというと省エネルギーのことばかりいわれますが、家のなかの温度が均質になることで、間取りが自由になるということが実は大切なのです」
吹き抜けにより間取りが開放的に
吹き抜けにより間取りが開放的に
――シンケンの家をみていると、間取りのもつ意味は機能だけではないようにも思えます
「一般にはあまりいわれないことですが、『家の見え方』 というのが、住む人にとっての家の価値でもあるのです。例えば狭いところを広く見せる、隣が見えないように木を植えるといったことです。つまり、視覚的な情報を上手に整理することがとても大切なのです」
プライバシーが確保されたデッキスペース
プライバシーが確保されたデッキスペース
――そういえば、家のいろいろなところの寸法が上手に整理されているように感じます
「寸法はとても大切です。ものの見え方と実際の寸法の関係をきちんと把握していなければいい設計はできません。例えば天井の高さなどはむやみに高くすればいいというものではありません。少し前に、美濃に旅行にいったのですが、そのとき訪問した和室などは1.9mしか天井高がありませんでした。それでもとても気持ちのよい空間だったのです。こうした体験をするたびに、測ってみることが大切です。そのことで好ましい寸法というのを蓄積していくのです。機能的で居心地のよい家をつくるには、こうした細かい配慮が必要なのです」
寸法を意識する
寸法を意識する
迫英德写真迫英德 (さこ・ひでのり) プロフィール
1950年鹿児島生まれ。家をつくることを仕事にしたいと、基礎・屋根・建具・大工・現場管理・営業など、さまざまな職種を現場の実践を通じて経験。1977年にシンケンを設立。施主にコンセプトを明快に提案する 「迫メソッド」 により 「シンケンスタイル」 を確立。現在までに1,200棟以上の家づくりの現場に直接かかわり、実践を重ねている。
 
シンケンの考え方
シンケンスタイル
家づくりの考え方
プランについて
さまざまな工夫
  敷地と建物と太陽の関係
  庭のかたちと緑
  開放的な室内
  参加型キッチン
  快適トイレとサニタリー
  浴室を気持ちよく
  暮らしに合わせた収納
  デッキは第2のリビング
シンケンの現場